2010年12月2日木曜日

妊娠38週① 体の準備と母乳のこと


この週の体の変化はすごかった。
出産時の入院準備が整ったところで、体に対していろんな「準備しろコール」が聞こえてきた。

妊娠初期、つわりが全くなかった私。
だけど、最近、最後のラストスパートで、なんか"食べづわり"のような症状が。
お腹がすくと気持ちが悪くなって、朝ご飯を3回食べるようになった。笑
なかなか体重が増えないのに見かねて、「食べてもっと蓄えろコール」が聞こえだした。
甘いものをもちろん欲するから、本当に普通に体重も増えてきた。
そんな時、体重計が壊れてしまったけど、たぶん推定6Kg増。

週末に近くでブロカントがあったので、氷点下の中、がんばって繰り出した。
3時間くらい歩き回って、そのあとアトリエで仕事して、
なんか全然平気だなと思って家に帰ると、お腹がキューって痛くなった。
赤ちゃんの胎動が、いつもとなんか違った。
お腹の結構下の方で、ひっきりなしに、激しくモゾモゾあちこち動いて、様子が違った。
グニュ〜っと波打つような、お腹全体がうねってるかんじ。皮膚を破って出てきそう。
手がものすごく動いて、それが恥骨あたりに当たって痛い。
動き方が変わって、位置も少し変わった気がする。しゃっくり(横隔膜)の位置も違った。
お腹を見ると、一層ぐうんと下がってる!!
下がる準備してたんだ!
そろそろ、どうやって降りていくか、ああでもこうでもないって、いろいろ場所を探してたんだ。

その翌日からは、胎動がいつもより少なくなった。
動きが鈍い。胎動が痛くない。もの足りないくらい。
たまに動くと子宮口あたりがズーンと響く。頭がどっかに、はまったかな?
ドキっとして、それからちょっと安静にしてる。
4日間、担当の助産婦さんが留守の時期だったので、
「今生まれてほしくないなら、安静にしてコール」だったんだと思う。
偶然にも、旦那さんの仕事の予定も、急にキャンセルになったり、ゆるやかになってきた。
まわりの状況まで変わってくるなんて、不思議。

そして、それから毎朝、お腹がゴロゴロ下ったり、お通じがよくなるようになってきた。
なんだろ?と思って調べてみると、体が自然に準備をする、お産が近い印のひとつらしい。
そういえば、出産前に浣腸するって言うし...
自然に、自分でデトックスし始めてる。
体ってすごいな、とつくづく実感した。
友人にも「そうなってくると、そろそろだよ」と言われた。
それに、ものすごーく眠い。
ご飯を食べると、眠くなってイライラする。
今まで寝不足でも全然平気だったのに。
これから先のための「じゅうぶん寝とけコール」かな。


先日、助産婦さんに「産後は、母乳で育てたい?」と聞かれた。
「もちろんです」とは言ったけど、その質問て、なんかおかしいなあと思った。
フランス人は、無痛分娩で生む上、さらに母乳で育てないと聞くけど、本当なんだ...
なんとフランス人の約半数が、出産後すぐに薬や注射で止めてしまったりするらしい。
初乳に免疫抗体がたくさん含まれてるから最初の1〜2週間だけという母親も多いみたい。
そして、すぐにまた妊娠できてしまうから、避妊薬が処方される。
そんなに本能に逆らってしまっていいのかな。
母親としての役割を授かって、せっかく9ヶ月間もいろいろ準備してきたのに、もったいない。
それまでに育んできた母性とか、ちゃんと赤ちゃんに伝わるのかどうか。
なんのために生むんだろう。
もちろん、仕事も、パートナーも、体型維持も、大切なのは分かるけど。
だから、フランス人は、メトロの中で指しゃぶって爪を噛んでる大人が多いのかな。
だから、あんなに街角で一目も構わず、恋人と、おおげさってくらいの愛情表現をするのかな。
だから、大人になっても自立が遅い男性が多いのかな。
その後の親子の絆にはもちろん、人間関係にも影響が出そう。
いろんな考え方はあるし、100%母乳にこだわらなくてもいいとは思うけど、
この国は、こんなにも多くの人がミルクで育ってきたのかと思うと、なんか、寂しい。
しかもちょっと納得。笑

以前も書いたけど、由井寅子さんの本の言葉。

 「帝王切開で生まれても無痛分娩で生まれても、母の愛が響くように修正する期間があるわけですよ。それがお乳だ。
 この愛情が分からない無責任な子供たちを、愛情が分かる子供たちにするには、お乳をあげなければいけない。
 いくらあなたがいっぱい薬を摂った、水銀を摂った、ダイオキシンがあるといっても、お乳に勝るものはないよ。
 それを牛の乳に代えてしまうのは本当によくないですよ。
 毒乳でもいいからあげてよ。どうせ毒乳なんだもの、いいもの食べてないんだからさ。
 だから最初、子供は下痢するのよ。なぜ子供は下痢をするの? あなたの乳の質が悪いからだ。よく吐くのよ。
 でもこれは赤ちゃんに飲ませ、出してもらわなければいけない。
 それであなたの乳はきれいになっていくんだわ。

 普通、女の人は一足飛びに浄化する方法がある。
 それが出産であり、子供を育てることだ。本当に大事な仕事です。」

母乳を与えることが、赤ちゃんへの大きなプレゼントだったら、
母乳を飲んでくれることが、赤ちゃんから母親への大きなプレゼント。
私はいつだって、赤ちゃんを育てるし、赤ちゃんはいつだって、私を育ててくれてる。
妊娠したときから感じてたこと。
私たちは、共に生きてる。
出産て、一方的なことではなくて、お互いがしっかり手を取り合って、一緒に成長していく。
だから、それを見守って包み込んでくれる父親も、とっても大切な役割。
家族みんながひとつになって、また新しい生命のサイクルをつくり出す大仕事だと思う。
どうか、赤ちゃんに必要なだけのおっぱいが、ちゃんと出てくれますように。

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